鉄鋼業界
鉄鋼業界は一時期斜陽産業と呼ばれるほど落ち込み、日本が技術を提供した
韓国やブラジルなどの製鉄業の安価路線に追い込まれ、生産体制の路線変更、
業界再編が進んでいましたが、ここへきて大きな変化が生じています。
鉄鋼業界を揺さぶる変化の原因は"中国特需"であり、中国を中心にしたアジア
地域で粗鋼生産量が増大するという状況が生まれました。
日本の鉄鋼大手が得意とする自動車や造船、エネルギー開発向けの高級鋼材は
引き手あまたで、過去最高の収益を更新したところもあります。
中国特需のピークは過ぎているものの、その余波はいまだ健在であり、鉄鉱石や
コークスといった原材料をめぐる争奪戦は国際的に繰り広げられています。
世界に目を向けると業界1位のミタル・スチール、2位のアルセロールが合併
して巨大鉄鋼メーカーが誕生しました。
これに対して業界3位の日本の新日鉄と住友金属、神戸製鋼が提携を強化して
対抗するなど大きな再編が繰り広げられています。
日本の鉄鋼業界は世界トップクラスの技術力があるものの低価格品は輸入品との
競争が激しく、高機能製品は新素材との競合が激しくなるなど常に厳しい局面に
さらされていますが、市況変動に左右されない収益基盤をいかに築くかが今後
注目されます。
■ 鉄鋼業界のカギをにぎる中国市場
中国特需とそれまでのリストラなどによる経営の建て直しにより、業績が飛躍
的に高まった鉄鋼業界ですが、注目市場である中国が外資の鉄鋼会社の進出に
一部規制をかけるなど、過熱しすぎた鉄鋼市場に生産調整をすすめています。
業界1位のミタル・スチールと2位のアルセロールの合併、長引く原材料の
高騰、中国の生産調整などが今後の鉄鋼業界にどのような影響をあたえるかは
まだはっきりしていません。