セメント業界
セメント業界はバブル期の建築ラッシュとバブル後の公共投資によって増産態勢
が続いていましたが、公共投資の減少とともに市場が一気に縮小、逆に生産過剰
に陥り赤字に転落したツケは、いまだに高くついている様子です。
90年代後半に行われたセメント業界の大再編によって業界上位の大手による
寡占がより一層進み、典型的な寡占市場になってしまいました。
セメント業界のトップ3である、太平洋セメント、宇部三菱セメント、住友大阪
セメントが国内シェアの8割を占め、トップ5になると9割近くになります。
業界の建て直しを計るも、国内市場が縮小するなかでは、生産設備の過剰感は
否めず、さらなる合併やアジアを中心にした海外輸出、コンクリートやセラミック
などの新建材への参入などに生き残りをかけるしかない状況です。
セメント業界のなかには優秀な技術力をもつメーカーもあるものの、セメントの
素材となる原料が国内に不足している状態であり、輸入も中国の需要が増えたため
価格が高騰している状態で、満足に技術を生かせないことも多いようです。
原燃料の価格が高止まりしていることで、採算性を重視した戦略が問われるほか
海外市場での海外セメントメジャーと争い、IT関連や環境関連事業を中心とした
新事業への多角化など、セメント業界の動向は目まぐるしいようです。
■ セメント業界が一目でわかるキーワード
「3強体制」
セメント業界は太平洋セメント、宇部三菱セメント、住友大阪セメントの3社が
国内シェアの8割を占めます。現在は量より収益重視の戦略を取っており、価格
の引き上げに動いています。
「アジアへ進出」
すでに国内市場は飽和しているためアジア進出を目指すがアジア市場は海外の
セメントメジャーも注目する市場であるため熾烈な争いが繰り広げられそう
「セメント産業はリサイクル産業」
産業廃棄物であるごみの焼却灰や汚泥をセメント材料に、廃タイヤを燃料に再生
することで利益&コスト削減が同時に可能なため注目されている。